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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第044号       ’00−05−19★

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     未知との遭遇

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●学卒新入社員

 

の基礎的教育訓練に、以前はかなりの時間をかけたものでしたが、今はほとんど

短期育成。 もうあなたの部署にも、<彼ら>が配属されたのでは?

 

で、本年度の新人さんたち、どんな<傾向>でしょう? ニックネームは何と?

時代相の反映で、不思議に<年度の特徴>が形成されるものですが、、 当節の

採用事情では、それが観察できるほどの<個体数>が得られない、かも。

 

かつて「新人類」、「異星人」など呼ばれた世代が、こんどは「新・新人類」や

「新・異星人」の面倒を見る側に回らされ、<彼ら>に呆れたり、手こずったり

しているのではあるまいか?   因果は巡る、、で。

 

改めて感じるでしょうな、<相手の立場に立つ>なんてこと、やはり容易でない。

その身の上になり、その場面が訪れるまで、本当には分からないものだ、、とか。

 

 

我が家の「新人類」たる末息子が、大学生当時、母校のバスケット・ボール部で

コーチを引き受け、彼と3年生、その3年生と2年生、2年生と1年生、どれも

僅か1年の違いでしかないのに、気質も行動ぶりも全く異なり、仲が悪くて困る、

と嘆いておりました。 同窓の同好の士、しかもその年齢的近接においてすら!

 

10歳も違えば話は通じにくかろう、とは分かる。 が、「1歳ごと」じゃ大変、

人間は「1年ひと昔」らしい。 なのに体制側は「十年一日」。 良いのかね?

 

*   *

 

そうした年ごとの人間的特性の違いは大きくとも、毎年採り続けてさえいれば、

職場文化の断絶や世代的了解不能現象は何とか起きずに済む、、 はずでした。

 

ところがたまたま、数年度にわたって新規採用を中断した某大メーカーでの話。

あれが運の尽き、その間に生じていた人材の質的低下は驚くほどだった、と。

 

久しぶりに採用した新世代は、基礎学力不十分のくせに仕事への注文が多い。

説明をろくに聞かず、教えても覚えず、させればトチり、たった一度の失敗で

投げ出し、再度強いればムカツクと言い、あっさり辞めて行く、、、

 

次年度のはもっとダメ、、 で、あちこち先任者との間に埋めがたいギャップ

が、、  となって、今は固有スキルの継承すら危ぶまれる、という。

 

気付いた時には後の祭り、その種のダメージはまず修復できません。 むしろ

それを機縁に、技術内容を様変わりさせるも良し、異業種へ転換するとか、、、

まあ、そこまではともかく、当面、部署の責任者に心配は尽きないでしょう。

 

*   *   *

 

しかしながら上記は、<同じ色に染め上げよう>という前提での<困った>話。

今は<色々な人がいなくてはいけない>時代、でもあります。 お互いの違い

を大切にしよう、それが苦労だ?トンデモナイ! と<上>は気安く言われる。

が、ご自身、<色々な人>に囲まれているわけではないことが多かったり。

 

「当社の車、何色のご注文でも承ります、、それがクロである限り」と言った

というヘンリー・フォードみたい。 何を考える人であっても良い、私の考え

と同じなら、、でしょうから。 しかし、管理職はそう言わせちゃもらえない。

 

たとえばこの世は(常識的に)男と女、僅か2種類。 であっても十分、複雑

怪奇な人間模様が紡ぎ出される。 何種類もだったら、さぞ大変でしょうな。

近ごろ流行の<男女中間種>を認めたくないのは、私の場合、純粋に問題

発生予防の見地からであります。 なるべくならシンプルな方が、、 と。

 

実際、組織は<目的社会>。 その<目的>に適う人材を選んで採用するのは、

本来、構成員の資質のバラツキを小さくするためでした。 が、今はバラツキ

自体を歓迎しようという風潮です。 いやむしろ、それが当然なのかも。

 

新学卒とは言うが専攻は色々、<人となり>は千差万別。 <真っさら>は

単に一面、実際には<得体の知れない存在>です。 それを相手にするんだ、

こりゃもう<未知との遭遇>だわ、と覚悟して付き合うほかありませんな。

 

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●人間同士のやり取りに関して

 

<未知との遭遇>なる表現を用いた例がありました。 丁度10年ほど前の

雑誌「正論」<編集長インタビュー>、上智大学猪口邦子教授「私の体験的

アメリカ論」。 その中にたとえば、

 

 日本はムラ社会だから、折り合いをつけ、互いに生き延びを図る。 決定的

 な論戦で勝敗を分けることを避ける。 しかしアメリカはフロンティア社会

 だから、常に「未知との遭遇」に備えていなくてはならない。 それこそは、

 

 <異質>と出会って、自分の立場を貫く場合に必要なこと。 渡り合う方法

 は腕力か説得、二つに一つ。 腕力に訴えないで勝ちを収めことが出来る人

 をエリートという、、、  とあります。

 

 

故に、エリート教育の本質は論戦能力になる、とも。 待てよ、私の記憶では、

我が母校のカリキュラムに<論戦能力>の直接的涵養に関わるものなど、全く

無かったぜ。 その観点からすると、我が国のどの大学も<エリート教育>と

いうべきものはしていない、と言えるのではないか?  それはともかく、

 

あなたがリードする部署で、あなたが<未知との遭遇>にひけを取るわけにゃ

行きませんぜ。 この際、謹んで猪口教授のアドバイスに耳を傾けましょう。

 

 それは「アメリカ人に対して発言するときのノウハウは?」という質問への

 答え。 表題からすれば「アメリカ人」は当然ですが、ここでは内容未知の

 人々、異質の人々、と置き換えて良いでしょう。 番号は記述の便宜上、私

 が付けました。 念のため。

 

*   *

 

要約して、

 

1)相手はこちらについて何も知らない、分かってくれてはいない、の前提で

2)明確に、手短かに、念入りに

3)基本的な情報をヌケ・モレなく含めて

4)論理的な順序で

5)時に<良い質問>をまじえて

 

話す必要があります、、、と。  いかがです?  僅かこれだけ。

 

*   *   *

 

もちろん猪口教授は、「これだけで勝てる」とおっしゃっているわけではあり

ません。 が、ささやかな私の体験からも、こうでなかったらやり取りらしく

ならない、とは言えます。  相手に対する心配り、でもありますから。

 

これらを<学卒新人さんに対する心配り>と見てアレンジすると、

 

1)専攻が何であろうと、普通、それがいきなり役立つことは無いでしょう。

  が、新人にもプライドはある。 「一旦メモリーをクリアしてから、、」

  くらいには断わって、<白紙スタート>へ導きましょう。 

2)当節、マンガの<吹き出し>に収まる長さが基準だそうで。 専門語を

  用いると明確・手短かですが、これ分かるかな? の確認は必要です。

3)前項に忠実のあまり、肝心な情報を抜かしてしまうようでは元も子も無い。

  ヌケ・モレ防止のチェック・リストとなるツールがあれば少しは安心です。

4)前2項に徹した結果、<コマギレの情報>を<ドカドカ渡す>ことになる。

  受け取らされる方は整理に困るでしょう。 だからアタマに収まりやすい

  順序で、という心遣いは是非とも必要です。

5)ある部分の情報は、新人といえども持ち合わせているはず。 質問の形で

  それを引き出せば、新人の参画意識を高めることにもなるでしょう。

 

で、質問。 あなたは次のどちらですか?

 a)なるほど、そのやり方ならワカラナイと言わせずに済むな。  

 b)えー? 面倒だな。 そんなこと一々覚えていられないよ。

 

それとも、

 c)内心はa)、しかし現実にb)  、、かな?

 

*   *   *   *

 

話を聞けば、たしかにそうだ、とは思う。 が、思えばすぐ実行する、とか、

実行すればたちまちそうなる、というものではない、、 が普通でしょうな。 

しかしそれじゃ、何も変わらない。 

 

一歩、踏み出しましょうよ。 「おたすけマン」もお手伝いします。

どうやって?  エヘン、お馴染み Rational Process の分析シート、です。

 

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●いわゆる分析シートは

 

どの思考パターンのも、基本的に<枠組みだけ>。 もちろん表題や各欄の

指示事項は印刷されています。 それを前に置いて話し合うことにすれば、

一々「覚える」必要は全く無い。 こりゃ気が楽だ、、 でしょう?  

 

初めはもちろんブランク。 文字通り<白紙スタート>。 つまり、1)。

 

話しながら書き込む。 明確になる。 その記入欄はたいして大きくはない。

当然、手短かにせざるを得ません。 この術語、キミ、知っていたかな?

など、念を押す。 自然と2)が実行できてしまいます。

 

分析シートの実用的効果はすでに確認されていますから、情報のヌケ・モレ

を懸念する必要はありません。 むしろ、ウム、この点は忘れていた、と

改めて気付くこともあるでしょう。 これで、3)もクリア。

 

シートが論理的順序で構成されていることは言うに及ばず。 4)もOK。

 

Rational Process は<質問の技法>、と何度も書いて来ました。 シートの

記入を進めて行けば、無理なく<質問>が出てきます。 必要かつ十分な

情報を引き出す質問、それが<良い質問>。 ですから、5)もOK。

 

 そんなふうにやってみるかな、という気になられたのではありませんか?

 

 

そこでよく出る質問。 「枠があると、発想が限られるのでは?」

必然的な答え。 「限られるかどうかは、結局その人次第です。」

 

実際には「限られる」ことはありません。 「限られる」という感じ方は、

まあ被害妄想的。 あなたのアタマの働きを技法が?「限る」? まさか!

 

シートの各欄は、この段階ではこれを考えましょう、論じましょう、という

指示に過ぎません。 それをしないで先に進めば、いずれ手戻りになるだけ。

そこではそれが必要、ということ。 何なら、順序を変えてお試し下さい。 

 

記入スペースは、たしかに大きくはありませんが、すでにテスト済みサイズ。

普通はそれで足ります。 必要なら、貼り足す、という手もありますね。

 

で、お分かりのようにこれは、<未だカラダを動かしてない>人の質問。

 

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●<均質性>が日本人の特徴、

 

であったのは昔の話。 かつての<日本人論>など、もう<考古学>の類です。

「同じ日本人なんだからさあ、、」なんて口説き方は、あなたもなさるまい。

いっそ「人を見たらガイジンと思え」とハラをくくるのが正解かも知れません。

 

我が子でもよくワカラナイのだから、仕事を介して付き合う他人同士、行為・

行動の<形>は頼めても、<心>まで分かり合おうと望むのはナンセンス。

 

しかし、話は分かってもらいたい。 良い結果は出してもらいたい。 それが

出なくちゃ誉めてはやれない。 誉めなきゃ育たない、と言うなら、それじゃ

育たない。 部下が育てられない、では管理職とは呼ばれにくい、、でしょ?

 

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というわけで、分析シートは<部下育成のツール>でもあります。 

お声があれば、いつでも「おたすけマン」、お手伝い申し上げます。

                           ■竹島元一■

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